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思い違い
「うーん……」
「何、どうしたの?
最近いっつも唸ってるけど」
ある日の貴重なお昼時間、一知花に言われて私は机からゆっくりと顔を上げた。
お昼は向かい合わせて食べているため、目の前には心配そうな顔をする一知花がいた。
「一知花、恋ってなんだろう」
「それ、いま一番ひながわかってるんじゃないの?」
さらりと言葉を口にする一知花。
いや、そりゃ私だって、わかってるつもりだったよ!
瑛心を想う気持ちは、誰にも負けない自信がありありだし……
でも、その恋ってのを人に聞かれたら、なんて言えばいいのやら。
数日前から始まった、瑛心への恋愛講義。
それは、想像していたのとはかけ離れた、まさかの座学で…
べ、別に私だって座学で不満だなんて思ってないけども!
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