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そうと決まれば、計画を練らなければ…
放課後、私は図書室で手当り次第に取った恋愛の本を山積みに重ねていた。
「ふむふむ…」
「ねえ、ほんとに先帰って大丈夫?」
一知花は、四人兄弟の一番上。
最近お母さんの体調が悪いみたいで、弟や妹のお世話をするため早く帰らないと行けないのだ。
「大丈夫!早く帰ってあげて」
一知花の大変さは、一人っ子の私にはきっと一生わからないんだろうな。
「ん。じゃあまた明日ね」
にこっと笑って軽く手を振ると、一知花は図書室から出て行った。
……さて、私も私で頑張らないと!
瑛心が放課後迎えに来てくれたけど、今日だけは……我慢した。
私には、瑛心とハッピーエンドを迎えるための準備が必要なのだ。
その為に、お昼休みに言っていた“デート”をどうにか決行しなければいけない。
「えーっと」
適当に積み重ねられた本をひとつ、手に取って表紙を見つめる。
…………って、いやダメじゃん!
内容がなんでもいいってわけじゃないんだから!
私は恋愛について書かれているであろう本を、とりあえずひとつずつ直しに向かうことにした。
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