どうしようか

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ここは、赤月原(アカツキバル)高校。 男子と女子の人数が、ほぼほぼ一緒の共学。 クラスは組ではなく、[普通科 音楽科 芸術科 体育科 特進科]の5学科によって分かれている。 誰がどの学科かは、生徒を見れば一目瞭然だ。 私は、教室の窓からひょっこりと顔を覗かせた。 通学カバンから筆がはみ出ている人は、大抵芸術科。 そして、ガタイが良くてなんとなく運動してそうな雰囲気の人は、大抵体育科。 ……あの人は、普通科かな? 人の学科を予想して楽しむのも、私の日課。 ある程度楽しんで、私は鼻歌を歌いながら自分の席へと戻ろうとした。 …………うわ。 ふと、圧倒的な存在感に、生徒全員の視線が一直線にその男子生徒を捉えた。 私もその一人、つい足を止めて見入ってしまっている。 「あの人……特進科の人だよね」 見るからに、確実に、そうだ。 名前は…えっと、なんだろう?
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