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「はあ?よかったよかった」
数学の授業は、何事もなく終わった。
私が借りていた訳じゃないのに、なんか一知花より神経使ってたみたい。
「ありがとね、助かったよ」
机に突っ伏する私の頭を軽く叩いて、一知花は笑った。
「ふふ、その言葉瑛心に言ってあげて♪」
あいつ……きっと、女子にお礼言われるなんて思ってもないだろうから、喜ぶんだろうな。
今まで女子と瑛心間の貸し借りは、全て私を通していたから。
今回も、私が放課後返してくれると思ってるに違いない。
「ほんと、陽奈子って都田ラブだよね」
「当然……♪だって瑛心ったら」
「俺がなに?」
!!
それは、私の席が窓際なのが悪い。
瑛心が近づいてたことに、何も反応できないなんて……
「ごめん!瑛心!もっかい!」
「は!?なんの話だよ」
窓を挟んで会話する私達って、やっぱりお似合いのカップルに見えるかな?
もう時期付き合いそうな2人……とかで噂になってたりして。
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