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「僕たちも興奮していて、説明不足だったと思います。僕たちも悪いんです」
「いや、それは違──」
「そうそう!」
篤人くんと涼くんが、同意を示すように、深くうなずいたのは印象的だった。
「俺らも自分で何言ってんのかわからなくなってたし」
「何言ってるかわからない子供のために、本格的な捜査をしようと思いましたか?」
「……」
お巡りさんは答えなかった。苦虫を噛み潰したような表情を浮かべてるだけだった。
「でもいいんです。おかげで、面白い人たちに会えましたから」
「……」
私たちだって、遠因だ。なのに、笑顔で──。
悠貴くんは優しくて、強い。篤人くんと涼くんがそれを増長させているのだ。
それを実感し、痛感し、私の頬に、密かに涙が落ちた。強くて、優しくて、美しい、友情。
竜さんの瞳も潤んでいた気がしたのは、気のせいではないと思う。
彼らの友情を、私たちは守ることができた。非日常から、日常へ。第一緑公園にトラウマを抱えてしまっても、彼ら三人なら、きっと乗り越えていける。
病院での出来事を回想していた私は、彼らが体の向きを変えたことに、声で気づいた。
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