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僕には好きな子がいた。その子が僕と友達、どちらが好きか知りたかった。
欲しいゲームがあった。母親にどんなに頼んでみても買って貰えなかった。母親を操って買って貰う……そんな夢も見た。
考えている間、寒くて震えた。塾の鞄が重たく手に食い込む。
「……先生ならテストにどこがでるか知ってるよね?」
もう少しテストの点が良ければ遅い時間まで塾に通わなくてすむ。こんな寒い日に暗い路地で怖い思いをしなくてもすむ。見たいアニメももっと見せて貰える。ゲームをする時間も減らされない。
それに母親が何を考えているのか分かれば、僕は母親の機嫌を取って欲しいゲームも手に入れられると考えた。
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