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その画面に映っていたのは現在の天皇である。
「日本のトップである人を殺したい?どういうことなの、風夜?」
座敷童子は言う。
「……ん?」
私の口が勝手に言ったので私は何も思ってない。むしろ天皇に手を掛けるなんておかしい。
「君には分からんだろう。無理も無い。千年ぐらいも前……平安時代の因縁の戦闘だったからなぁ」
猫又さんはそう言う。
「とにかく貞子、童子!!よう、彼を見張っておき。一応、花子にもこの件に関してはさっき伝えておる。では、私はこれで」
猫又さんはそう言い廊下を歩く。私たちも付いていく。着物にかんざしを刺し日本の足で歩く猫。やはり私とは違う。
「妾は天皇の所に行く……」
「奴など死……」
猫又は私に目掛けて扇子を一回仰ぐ。私は壁に強打した。
私は布団にいた。
「目、覚ました?」
「うん」
童子の言葉に返事する。
「それならよかった。お茶でもいる?」
「何で体震わせてるの?」
「いや、その……」
「……ったく」
貞子は童子からお茶の入ったコップを奪い取り、私の口に無理矢理突っ込んだ。そしてこう言う。
「私の胸よりもいい味だろ?」
私はお茶を吹き出す。鼻からもお茶がこぼれ落ちてきた。
「汚ねーな、おい」
「誰のせいだ!!」
貞子は大笑いする。私も笑う。その場に居合わせている座敷童子も笑う。
こうして私は楽しい夜を過ごしたのだった。私はまだ、あんな恐ろしい呪いが目覚めることはまだ気が付くわけもなかった。
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