三章 目覚めの始まり

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時は進み、私は小学四年生になった。 言葉による精神的ないじめよりもボールの的になったりフルボッコされたり肉体的ないじめが多くなった。 やられる度に謎の声が聴こえる。 花子さんにも何度か助けられた。他の幽霊たちを利用していわゆるポルターガイスト現象のように見せるのだ。それでも何も変わらない。 そして今日もまた肉体的いじめを受ける。 「うんざりだろ?」 (してないよ?) 「嘘つけ?誰よりもお前のことを分かってる」 (だから?) 「お前、何も出来ない悔しさに解放して欲しいんだろう?」 (黙れ!!) 周りの男子生徒たちはこう言う。 「おい、やり過ぎたんじゃね?目が赤くなってるぞ?」 「うさぎみてー。キモ!!」 その直後に謎の声は言う。 『ほら、殺っちゃえよ?』 私は無意識に体が動く。目の前にいる男子生徒たちの首が取れていく。手を見た。刀が二本ある。 『ふふ。これでまた刀が作れる』 花子さんの泣き声が耳に届いた。 「もう……やめてよ?」 私は我に戻った。 学校が全壊し私の周りを人間の死体が囲んでいる。先生たちもいた。幽霊たちも倒れてる。 「……っち。出遅れたわね?」 「貞子姉さんがゲームクリアするまで待てと言ったんだよ?」 「しょうがないでしょ?人間のかわいい女の子が悲鳴あげてるのが興奮したんだから」 「エロゲーでしょ?」 「おしい。ギャルゲーでした」 「そんなこと言ってていいのかね?お二人さん?」 「猫又様!?」 二人で驚いて同時に叫ぶ。 「おい、猫又殿、これはどういうことだ?」 「見ての通りじゃ。天皇。彼が殺した」 「なるほど。彼が死刑を……」 「待て!!天皇、妾はお前さんより長生きしとる。いや、死んでるがな?細かいことはいい。奴はあの邪神である前に普通の人間だよ。そこは忘れてないだろ?」 「ふむ。ならば牢屋にぶち込め。気絶している今のうちにな……」 その言葉が耳の中に聞こえてきた。
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