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私は静かな風が私の顔をなびいている。
二人の女の子が近寄る。
「ねぇ、貞子姉ちゃん。人間の子が落ちてたよ?捨て子かな?」とおかっぱな髪の少女はにっこり笑って言う。
「そうねぇ。人間って醜いものね。育てられなかったら捨ててしまう。犬や猫もそうだったけど、今回は人間。みんな可哀そうな目をしているのに。ねぇ。童子。いっそうのこと人間を脅すだけではなく、殺しちゃおうか?人間がどんなひどいことをやったのか味らわせてやるのもいいかもね?」と髪の長い女性が言う。
「お姉ちゃんと一緒にしないで?私はこれでも可愛がられてるんだから。人間でいうアイドル……まぁ、花子先輩には負けるけど。それに女王の方針を曲げることに値するんだから、あの方のことだから何されるか。分からないよ」
「そうね。いいこと考えたわ。この子、私たちの手で育てましょう?」
「いいね、お姉ちゃん」
「ふふ。この子も笑ってるわよ」
「かわいい……あっ、でももっとかわいいのは私なんだからね」とむくれた顔の少女たちと共に私は彼女たちの家に行くのだった。
こうして私と彼女たちの生活が始まったのだった。私という危険な生物であるのに関わらず……。
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