一章 「妖怪家族と封印の子」

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家の玄関と引き戸を開けると座敷童子が正座して待っていた。手は足の上に綺麗に交差して重ねている。 「おかえりなさいませ、ご主人様」 「え?童子?」 「あの……かわいいでしょうか?」 「変だね……」 そういうと童子は泣き出して廊下を走っていった。 後から扉が開く。 「はっはっはっ。いやぁ、面白いものを見た」 「まさかとは思うけど……」 「そう、私の仕業。女の子ぽくしたらって言うわけでメイドさんらしく振舞わせてみたら……変だって。ぷくくくく……」 最低だ……この人。 「死んでやる。いや、殺してやる」 廊下の先からその声が聞こえ、黒いオーラが見える。 「ありゃあ、怨念だ。いとおそろしや。それ、いとおそろしや」 なんか呑気に歌って踊ってるんだけど、この人。 「いつまでそこにいるの?早くおいでよ?怖くないよ?けけけけけ……」 十分に怖いです。私は仕方なく廊下を進む。リビングにいる童子は手に何かを持って背中で隠していた。 「何か言うことは?」 「ひっ……」 「何よ?ひっ、て私がまるで悪い人じゃない」 童子はムスッと顔を膨らませる。 「今日、トイレの花子さんに会ったよ」 「えっ、ホント?ちゃんとトイレにいた?さすが有名な……じゃないわよ、話を逸らさないで」 「ごめんな……」 「はい、よく出来ました」 そう言って私の口の中にチョコで出来たお菓子の棒を突っ込む。 「ご褒美」 口の中のお菓子を食べる私に彼女はウィンクして言う。 「女の子だのう……」 「女ですよー!!胸、あんまりないけど」 「自分で言うなよ、貧乳ちゃん」 後を見ると貞子がいた。 「貧乳つうーな。ちゃんと摘めば胸はある。痛いけど。そういえばあのお方、今日来るんだよね?」 その時、インターホンが鳴り出す。童子は玄関に走っていった。
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