130人が本棚に入れています
本棚に追加
姫良はこれ以上にないくらい目を見開いた。
次の瞬間には笑いだす。
「たまにはおれを立てろ」
「ヘンなプライド」
冗談めかした紘斗をからかうと、その顔が不意打ちでおりてきた。
姫良は息を呑んで立ち止まった。
「紘斗!」
「冗談だ」
今度は紘斗が笑い、姫良を置いて歩いていく。
急いで追いかけると、歩くのに合わせて揺れている紘斗の手のひらに自分の手を滑りこませた。
紘斗はちょっと手を握りしめてすぐに離す。
宿り木でツグミで猫ちゃんで。
そして、わたし。
みんなが紘斗にくっついたところを想像して、姫良はこっそり笑った。
-The end.-
Will be continued in the next time.
最初のコメントを投稿しよう!