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「こういう場合、ここの比率を見たらわかるはずだ。明らかにこの支店だけ斗出している」
紘斗は姫良が持っている手書きの資料を見ると、ため息をつきながら大阪支店の数字をとんとんと突いた。
「ここだ。担当者の悪い癖だな。先頭の数字は“7”じゃなくて“1”だ」
姫良はまじまじと資料に見入った。
この書類を書いた人は“7”の最初の縦棒を書かない人らしいとまでは察していたけれど、その中に“1”が混入しているとまでは疑わなかった。
「そっか。ありがとう、ひ……ございます、吉川主任」
気が抜けたのと同時に緊張も緩んだようで、また失敗を犯しそうになり、姫良はすんでのところで我に返った。
紘斗は口を歪めて首をひねり、それから姫良が使っているパソコンを指差した。
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