第18話 宿り木の鶫

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「“meeting”っていうフォルダの中に二十二日付けのファイルが入ってる。全部プリントアウトして持ってきて」 「はい」 姫良はすぐにファイルを探し当て、十枚の会議用資料を出力にかけた。 「いいよね」 姫良に身を寄せ、こっそりと話しかけてきたのは同じアルバイトの女性だ。 派遣会社は貴刀の経験者を送ってくるのが通例らしく、姫良より二才上のこの女性、穴井麻知はゴールデンウィークのときも一緒だった。 姫良が顔を向けて首をかしげると、穴井はちらりと姫良の背後に目を走らせた。 「吉川主任よ。まえもついたのは吉川主任だったよね?」 「あ……はい、そうですね」 「みんな、うらやましがってるよ。近づきにくい感じあるけど、有望株だし。遠野さんてどこの派遣?」 「え?」 姫良は『有望株』という言葉に気を取られ、意味がぴんとこなくて訊き返した。
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