第18話 宿り木の鶫

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自分の席に戻りながらなんの仕事だろうとメモに目を落とした。 とたん、足を止め、思わず紘斗を振り向いた。 姫良の背中を負っていたらしい紘斗は片方の眉をかすかに上げたあと、なんでもないことのように自分のパソコンに向かう。 姫良は席に着くと、もう一度メモを眺めてから折りたたんでカーディガンのポケットにしまった。 幸い、戻ってきた穴井は急ぎの仕事を頼まれたらしく、さっきの続きは追及されずにすんだ。
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