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「美春さん、わたしがここでアルバイトしてるってこと知ってるの?」
「さあな。美春は社長秘書室だからフロアが全然違う。デートって云ったからにはそうは思ってないんじゃないか。たまたま見かけて、ひと言云わなきゃ気がすまないってやつ。さっきのことは姫良が気にする必要はない」
「秘書室ってパパの?」
「ああ。秘書室は一人じゃない。十人くらいいるはずだ」
驚くというよりは納得した。
美春は見た目だけじゃなく、本当に聡明な女性なのだ。
また美春のテーブルを見ると、その視界の端に視線を捉えた。
姫良が横へと視線をずらすと穴井の目とぴたりと合う。
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