ブドウ酒

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一滴だけ ほんの一滴だけ 指ですくって 味わいたい 雲のように真っ白な 世界との溶けた境界線 風が少し吹いたね 電気のない世界では あまりに嬉しくて飛び跳ねる 無垢な心は世界を映す そのままに 木に実がなったね シーソーくらいあったらいいのに でも一人では遊べない 友達を呼ぼう 一人だけ 芝生に空 ここは楽園 でも リンゴは出てこない この物語に リンゴは出てこない たった一つだけ願いを叶えて ティッシュも本も要らないから ここから出して 楽園から 住み成すものは いつも心だけ でも ヘビは出てこない この物語に ヘビは出てこない
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