あるひとつの世界解釈

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ゴミ箱に投げ捨てた宇宙は 虚空に浮いて文字を羅列する 機械仕掛けは洗練に洗練を重ね 歯車三つのみとなった 決定論の向こう側では コペルニクスが踊り狂う 垂れ流しの贖罪にも似た悪意は ペルソナとしてその存在意義を果たす 裸になってしまえば 二元論ももはや意味を成さない 事実は存在しない 解釈が存在するのみである 掌からリンゴが空に吸い込まれる 因果の逆転 歴史の改竄 罪の子よ空気の海で泳げ 欲から生まれた恥を償え 電子のスピンと天体のスピンが 重なる 無限回帰の罠から 目を逸らさずに直視する 多世界解釈ではない これは 世界解釈
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