いちばん

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[結月の小話] *落陽ちゃんを呼んでみる 突然だが、あたしは嫌いなものが沢山ある。 例えば、勉強。難しくて頭が痛くなる。例えば、色とりどりの野菜。苦いのは食べたくない。例えば、百合の花。香りが想いを運んでくる。例えば、夕焼け。悲しくなる。あたしを呼ぶ声が聞こえる。例えば、たとえば。 「きゃほーっっ!!皆のアイドル!!結月ちゃんが来たよーっ★★」 ミヤコウタは今日も幸せが沢山。 例えば、学校。友達と会えるのは楽しい。例えば、歌う事。笑顔が溢れてくる。例えば、隊の皆と戦う事。勇気が湧いてくる。例えば。 「結月ちゃんは元気一杯だね」 誰かの優しい笑顔。それだけで、あたしは頑張れる。 「まぁねっ!!だってあたしはアイドルだから★」 同じく燕隊に属する星月さんはあたしを見て微笑んだ。 優しい笑顔だなと、改めて思う。あたしは彼女の笑った顔が気に入っている。 幸せな気持ちになるから。あたしを呼ぶ声が聞こえなくなる、から。 「さぁー!!今日も結月ちゃんのステージ見せてあげちゃうんだからねっ」 「うん、私も頑張るね」 「あ、そうだ」 不思議そうな顔をしている星月さんに向かって、あたしは笑った。 「星月さんの事、名前で呼んでも良い?」 星月さんは、目を丸くして、また優しく微笑んで頷いてくれるものだから。あたしは嬉しくなって、ついはしゃいでしまう。子供じみている思うし、そうと言われるかもしれないけれど、嬉しいものは嬉しいのだ。仕方が無いのだ。だからこそ、あたしは今日一番の笑顔で彼女の手を取った。 「きゃあーッッッ嬉しい!!じゃあオッチーで呼んじゃうんだから★宜しくねオッチー!!」 あたしには嫌いなものが沢山ある。 ミヤコウタには幸せなものが沢山。 好きなものは、まだ無い。 ────────── 櫻木さん宅、星月 落陽ちゃんことオッチーをお借りしました。 いやぁーオッチー最高ですわ。此処で漸くオッチーと絡めるのが幸せですわぁ~!! オッチ~~!!最高!! ありがとうございました!!
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