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宇宙無双日
まだ小学一年生のころ
肝だめしと称して
夜中に
お墓のロウソクを
拾い集める
"禁じられた遊び“ ごっこを
していた時のこと
バッタリ
仏像泥棒に遭遇し
取り押さえたという
輝かしい
経歴を持っている
お寺の住職に表彰された
静寂の闇をさ迷いながら
境内をぶっしょくしている男
そこに出くわした
たくさんのロウソクを
握りしめた子どもたち12人
24の瞳から
放出される冷視線を浴び
男は背後に鋭い気配を感じたのだろう
思わず振り返った
その視線の先に
坊主頭の無言集団が
ポカンと口を開けてつっ立ってる
男は顔をひきつらせ
目を見開いたまま声を発しない
やがてバタリとその場に倒れた
気絶したのだ
誰だって腰を抜かすよね
※この物語はノンフィクションです
◆どこの宇宙から
舞い降りた花粉だろう
冬祭り
薄紅(うすくれない)の
幼子たちよ
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