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真紅の候
影はなぜ無彩色なのだろう
何色でもよかったのに
生きている資格があるのかと
つぶやく妻に
生きるのに資格がいるのかと
優しくほほえむ夫
言葉じゃない
おたがいの影がふれあうから
安らかになれる
ふと出会った
この道に魅せられて
はじっこを
そっと歩いている
あなたの短い人生
私にさずけてください
けっして後悔させないから
真実の影の深さも濃さも
熟年の倦怠期夫婦、時節は真紅の候
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