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コノキに言われて鍋料理を頭の隅に追いやると、残ったものは……なかった。
「何も思い付かない」
「キヌタ……全くなの?……例えばフライドチキンとかは?」
「王者、ピーちゃんの唐揚げかぁ」
「ピーちゃんじゃないから!あとは……おせちとか?」
美味しそうな黄金の数の子、粒が美しいいくら、真っ赤に茹で上がった蟹、プリプリとした海老、味の染みた柔らかいローストビーフ……
「ギンタローに連絡しなきゃ!」
「待って!ちょっと待って!ギンタローはお客さんなんだからそんなに持ってこさせたら可哀想だよ!……森の恵みでおせちとか作れないかな?」
「コノキ、ナイスアイデア!良し!森のおもてなしおせちを作ろう!」
こうして2人は試行錯誤の上、何とか森の恵みたっぷりのおせちを考えたのである。
そして……年末は訪れた。
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