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コンコンッ……
その時、控えめに扉を叩く音がした
イルーナ君に言われてた言葉は勿論理解してたし、食料も暫く買い物しなくても良いくらい買い込んでたのに
私は誘われる様に扉を開けてしまった
「こんにちは、お嬢さん」
「こんにちは」
お嬢さんって呼ばれたのは久し振りだ、この世界来てからコイとかお姉さんしか呼ばれてなかったから
現実ではまだお嬢さんって呼ばれる事も…現実?
「おや、肌が荒れてるねぇ…この林檎を食べれば艶々な肌に戻るよ?さぁ、お食べ」
「有り難うございます…っ……」
差し出された真っ赤な林檎を不思議に思いながらかじるとクラッとする
その時見た黒のローブのお婆さんの姿が、あの占い師のお婆さんに見えた
「後、2回だよ、お嬢さん……」
「…………っ……」
暗い……凄く起きたくない
「白雪!いい加減起きなさい、遅刻するわよ!」
バシッと頬を叩かれる……この叩き方は
「……お母さん?」
目を開けるとお母さんが居た
「全く、いくら待ってても下に降りて来ないから…心配になって来てみたら…寝てるなんて…社会人として…」
「ここどこ!?現実なの?小人達は?」
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