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「いやぁ……昨日は大変だったよ、彼さやっぱり浮気してたんだよね…」
「…………」
「覚悟してたけどさぁ…ねぇ、聞いてる?」
「え?あぁ……浮気ね、うん聞いてる」
梨子の彼氏の浮気なんて悪いけど忘れてた私にとっては2週間前の出来事だもん
私は炊事洗濯と2週間働いていたんだ……実際こっちの時間が過ぎてたら浦島太郎状態で困るけど
梨子の愚痴を聞きながら定時になるのを待った
「お疲れ様でしたっ!」
「えっ……ちょ!」
誰に声を掛けられる前に自分から挨拶をする……良い心掛けだが、呼び止められたくない一心で足早に目的の場所に向かったが…
嘘……居ない
見渡しても何処にも居ない…2人共
若い男性は居るかどうか分からなかったけど、お婆さんは絶対に居ると思ってたのに
通る度に見掛けてたから
「嘘でしょ……」
手掛かりが一気に無くなってしまった事に思わずその場にしゃがみこんでしまった
その時見た指輪は相変わらず硝子玉が2つ
まるで最初からそうだったかの様に
「こんな事なら、もっとちゃんと選べば良かった…」
帰り道の電車内のドアに映る自分見ながら呟く
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