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気持ち悪いけど『食べ物』と言われたら何だかお腹が空いてきた
昨日の夜はお腹いっぱい食べたのに
「あの、イルーナ君お願いが……」
サーシャちゃんが居なくなった部屋には私とイルーナ君だけになった
ニーチェもいるけど寝てるからカウントしない
「何ですか?」
「鏡……取ってくれる?」
「鏡?」
木目のタンスの上の鏡を指差すとイルーナ君も同じく指差す
「うん」
「ちょっと待ってて下さいね……はい、これ」
「有り難う」
「僕は席を外しますね?何か用事が有ったら呼んで下さい」
「…………」
理由も聞かず鏡を持ってきてくれた彼は私に渡すと寝室を出て行った
やっぱり……イルーナ君らしい
きっと用事なんて無いだろうに女性が鏡を見たいと言ったら席を外すなんて紳士的
化粧直しをするわけじゃないけど無神経な男とはやっぱり違う
子供なのに……子供らしくないなぁ
「……ニーチェは子供らしいけど」
私の横に座りながら寝てるニーチェの頭を撫で渡された鏡で自分を確認する
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