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「どうしたの?うまくいってないの?」
「うん……浮気されてる気がするんだよねぇ……はぁ、アイツとも終わりかなぁ」
「…………」
呟いて上司に呼ばれて居なくなる梨子の背中を黙って見送る
私には浮気とか理解が出来ない
好きで付き合うと言う事は運命の出逢いをするのだから行着く先は結婚じゃないの?
梨子に言っても
『それは男と女は色々ある』
『恋は付き合ってからが本番で物語のように直ぐにハッピーエンドにはならないよ』
と厭きられる
会社が定時を迎えて梨子は重い足取りで、その浮気してるらしい彼に会いに行った
もう別れるつもりなら会わなくても良いのに。本当に現実の恋は面倒だ
帰り道でいつも占いをやってるお婆さんの横に誰か座ってた
あんな人居たっけ?
黒のローブを被ってまさにお伽話のお婆さんって人を見るのが私の日課の楽しみだった
一瞬でもお伽の国にトリップした気分になれるから
だから、その人が凄く気になって近づいてみるとお婆さんと同じ様にローブを被ってた…でも、残念な事に色は麻の薄い地肌色
お伽の国っぽくない
「どうぞ、見ていって下さい。お嬢さん」
掛けられた声は思ったより若い声で男性だ
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