203人が本棚に入れています
本棚に追加
でも深く麻のローブ被ってて顔は見えない
それに見てって言われても…サラッ目線を下に向けてもゴザみたいな上にはガラクタしかない
ネジとか、クリップ……クシャクシャな折り紙
この人、本当に商売してるつもり?どっかから拾って来たのかも
「…………」
隣のお婆さんもいつも通りだけど……私ならこんな人がピタッと寄り添って小判鮫みたいに店広げたら離れるんだけど
「どうぞ見ていって下さい」
若い男性は同じ事を繰り返す
どうしよう…さっさと離れるべきだったのに思わず長居をしてしまった……こうなると何か買わなきゃと言う気持ちに消費者はなるのだ
仕方なく腰を下ろしてガラクタをよく見る
何か買えそうな物は…
「あ、可愛い…」
よく見ると端の方にアンティーク調なアクセサリーがある
思わず声に出す程私の好みだ
その中でシルバーの指輪を手に取ると綺麗な硝子玉が3つくらい付いてる
思わず指に嵌めるとピッタリのサイズにまた運命を感じる
「これ、いくらですか?」
まさか、この露店で言うとは思わなかった台詞を口にすると、驚く値段を提示される
「……見ての通りただの硝子玉の指輪です、3つなので30円でどうでしょう?」
「は?30万!?」
最初のコメントを投稿しよう!