3つ飴玉

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こんにちは!僕はしがないただの物売りです! どうぞ気軽にジールって呼んでください! 今回あなたを呼び止めたのは他でもないこの三色の美味しそうな飴玉!   って帰らないで! おおまじめに話してるからっ!この飴玉普通の飴玉じゃない!だっだから帰らないで!この飴玉一つ一つに能力があるんです。 赤色の飴玉は舐めている間だけ時を戻せるよ!戻しすぎには注意かな? 青色の飴玉は人の心が読める飴玉飴を食べさせた相手の心がわかるようになるんだ?もし自分で食べたら周りに大暴露大会になるからね! 緑色の飴玉は他人を操ることができる飴玉だよ。これは一生涯続くからよく考えて相手に食べさせてね! えっ?興味出てきた?そうこなくっちゃ! 私は飴玉を結局買うことにした。多分理由の一つに好きな人の存在があったからだと思う。 3つの飴玉は可愛らしいハートのケースに容れられている。「これなら持ち運べる…。」そう呟き鞄の中に入れて学校に向かった。 「はよ!斎藤?」教室に着くと隣の席の鈴城くんが挨拶をしてくれた。「おはよう鈴城くん。」何を隠そう私の好きな人とは隣の席の鈴城くんなのである。 「大丈夫か?なんか、元気ないみたいだけど。」 心配してます!っと全面に出した顔が私の顔を覗きこむ、私は顔が熱くなりきっと真っ赤になっているだろうなと自覚した。 「すっ鈴城くん!私は大丈夫だからそれにちっ近いよ?」 「ははっ、そっか悪いなぁっ」ぜんぜん悪いって思ってない顔で鈴城くんが言う。 「お詫びにこれやるよ!」 鈴城くんが投げて寄越したのを必死でキャッチする。それは青色の飴玉だった。 「ソーダ味なんだけど嫌いだったか?」 他にもあるけどと言ってポケットからいくつか飴を出す鈴城くんに私は笑顔でありがとうと言って口に飴玉を頬りこんだ。 鈴城くんが言ったとおりソーダ味の飴玉は何とも言えない感じがした。 勢いで口に入れてしまったけど昨日のあの、怪しい男の子顔がよぎる。 「考えすぎよね。」私は小さく呟いた。 しかし、隣の席の彼か顔色を様々に変えていたのを私は自分のことが精一杯で気づけなかったのである。
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