出会ってしまった!

13/39
前へ
/489ページ
次へ
『なーに?イタリアン嫌?じゃ、ぶっちゃけた居酒屋は』 「お兄ちゃん、ご飯はいらないから迎えに来て」 『…あんた、今 何処にいんのよ』 少し冷静になってくれたのだろうか。 〝お兄ちゃん〟は、少しトーンを下げた男の声で聞いてくる。 「南町」 『…会社と真反対じゃねーか。こんな時間まで何してた?』 男に戻ったら…始まった。 「とにかく、すごい事になってるの。悪いんだけど、家まで送って」 『ちょ、待てよ。すごい事って何だよ?お前、男絡みじゃねーのか?きちんと説明しろ』 「もう!来てくれたら説明するから!ハックショ!」 『くしゃみ?!熱があるのか?いいか、そこを絶対に動くな!知らない奴が声をかけてきたら 大声出すんだぞ!』 「わかったから!あのね、ここは南町の」 ツーツーツー…… 切れた。 あと何回、場所確認の電話が掛かってくるだろう。
/489ページ

最初のコメントを投稿しよう!

580人が本棚に入れています
本棚に追加