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『なーに?イタリアン嫌?じゃ、ぶっちゃけた居酒屋は』
「お兄ちゃん、ご飯はいらないから迎えに来て」
『…あんた、今 何処にいんのよ』
少し冷静になってくれたのだろうか。
〝お兄ちゃん〟は、少しトーンを下げた男の声で聞いてくる。
「南町」
『…会社と真反対じゃねーか。こんな時間まで何してた?』
男に戻ったら…始まった。
「とにかく、すごい事になってるの。悪いんだけど、家まで送って」
『ちょ、待てよ。すごい事って何だよ?お前、男絡みじゃねーのか?きちんと説明しろ』
「もう!来てくれたら説明するから!ハックショ!」
『くしゃみ?!熱があるのか?いいか、そこを絶対に動くな!知らない奴が声をかけてきたら 大声出すんだぞ!』
「わかったから!あのね、ここは南町の」
ツーツーツー……
切れた。
あと何回、場所確認の電話が掛かってくるだろう。
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