信じても、いいですか!

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そうよね、と一旦納得して また慌てる。 「あのっ、タクシーに乗せてもらっただけで 十分ですっ!何も遠回りしなくても、係長は係長でタクシーに乗ってください」 「…僕とタクシーに乗るのが、そんなに嫌ですか?」 「あわっ、そうじゃなくて、係長にそこまで甘えたら」 「僕の〝送る〟というのは、貴女が自宅に無事に入るのを見届けるまでです。お気になさらず」 運転手さんが私達の会話を聞いていたのか、横山がきっぱり言い切った後 タクシーが動き出した。 ドキドキ、ドキドキーー そんなに飲んでもいないし、快適なタクシーの中なのに 何故私の心臓はさっきからこんなに忙しなく動いているんだろう。 岩元さんのバーにいた時よりも、さらに横山との距離が近いからだろうか。 どんどん横山が近くなる… 〝ダルマさんが転んだ〟状態だ。 落ち着いて、私。 隣に座っているのは、たかが横山。 …されど、横山。
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