出会ってしまった!

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崩れた私の膝辺りに、猫がいた。 街灯が薄暗くて、全然気がつかなかった。 猫も全身びしょ濡れだ。 「ニャー」 私と30センチくらい距離を置いて〝お座り〟して私を見ている。 「あんたも酷いね」 そっと手を伸ばすと、身体をすり寄せてきた。 子猫ではない。 でも、そんなに大猫でもない。 思わずバッグからハンカチを出して、猫の身体を拭いた。 吸水性、悪っ。 「タオルだったら良かったね、ごめんよ」 このハンカチ、捨ててもいいや。 全く逃げる様子のない猫の身体を 屈んだ姿勢で思い切り拭いた。 「ミギャ」 「あ、ごめん。痛かった?つい力が」 「ギャオゥ」 優しく拭けよ、みたいに私を睨む。 「冬じゃなくて良かったよね。風邪引くよ、お互い」 「フミー」
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