ひとつぶの心

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冷えきった夜 音を消して しんしんと 積もるメッセージ 枕元でひかるそれをつかんで ばちん、と窓に投げつけた いっそ 紙を丸めた拡声器で 正体を叫んでしまいたい ! ! ! ! 既成の木枠にくり抜かれても 文句のひとつも言うことなく 汚れは塩素で漂白して 作り笑いばかり上手くなる あなたに嫌われないように あなたに嫌われないように ピュアな少女みたいに拗ねて 雲のような言葉を重ねて 砂糖より甘い夢を連ねて 寂しい兎みたいに跳ねて あなたを呆れさせている あなたを呆れさせている ! ! ! ! 冷えきった夜 明かりを消して こんこんと 音を鳴らすドア シーツをぎゅっとつかんだ手に ぽとり、と熱い涙が落ちた .
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