夢の続きの話をしよう《1》

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【夢の続きの話をしよう】 『――では、もう一度ご覧いただきましょう。先日A代表のデビュー戦で魅せてくれました、若干18歳の新星、折原選手の逆転弾のシーンです』 大学のサークルでの飲み会からの帰り道、偶然通りかかった大手電気屋の店頭。そこで耳に飛び込んできた名前に、気が付いたときには足が止まっていた。 吸い寄せられるように持ち上げた視線の先で、巨大なスクリーンに映る折原の姿があった。 ゴールを決めた直後の映像なんだろう、日本代表の青いユニフォームを身に纏った折原が、チームメイトにもみくちゃにされながら笑っていた。 「あ、折原くんだ」 「かっこいいよねー、あたしファンなんだ」 すぐ傍で生まれた会話に、一緒に帰っていたメンバーの存在を思い出した。 「この笑顔が可愛いんだよね」と中高時代、俺が何度も聞いた女子の声と同じ感嘆を放つ友人に、何年経っても変わらないのだなと苦笑することしかできなかった。 「ファンって、芸能人なわけじゃねぇだろ」 そしてこれもまた昔の俺が思っていた台詞だ。大学に入学してから、丸二年つるんでいる悪友が笑う。
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