夢の続きの話をしよう《4》

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どんどん違う話題に流れていく連中を横目に、折原はどこかほっとした顔で俺の方を見ているのが分かった。 なんだかそれが昔の、それこそ本当に昔の中等部の頃の折原みたいで。折原のワックスやらなにやらで固まっている髪の毛を、気が付けば撫でまわしてしまっていた。 折原が、きょとんとして、それから照れたようにはにかむ。 「俺、サッカー選手になりたかったんです」 「知ってる」 と言うか、おまえはそのサッカー選手じゃねぇか、今。 「ずっと、サッカーが好きだったんです」 「知ってるっての」 「でも」 騒がしい店内の中、折原の声だけが静かに鼓膜に直接注ぎ込まれるみたいだった。 「佐野先輩が居なかったら、俺は今みたいに好きになれてなかったかもしれない」 ――そんなわけ、ねぇだろ。 否定する代わりに、飲み物の乗っているメニューを折原の前に突き出した。 「酒飲むなよ」 釘を刺しただけにも拘らず、折原は嬉しそうに笑って、富原は「佐野は相変わらず過保護だなぁ」と目を細めた。
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