夢の続きの話をしよう《1》

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「えー、佐野、付き合い悪い! いいじゃん、明日休みなんだし」 「悪い。明日、朝から用事あるんだよ」 別にそんな用事は、なかったのだけれど。今更だと分かっている。いつまで引きずるつもりだと自嘲したいのも本音だ。けれど、今、これ以上アルコールをいれたら、きっと自分はろくでもない本音をさらしてしまう。そんな気がしてしかたなかった。 「今度は絶対付き合えよ」だの「帰り道、襲われんなよ」だの好き勝手言ってくるのを、おざなりに手を振って、駅に向かってひとり歩きだす。 だから言っただろう、と思う。 あれはもう何年前の話になるんだろうと考えて、三年も前になるのだと言うことに驚いた。 それなのに、俺の中では、まだあんなに鮮明に折原が残ってしまっている。 でも、あんたがいないじゃないですかと。佐野先輩がいないのは嫌だと。何かをこらえて絞り出したような声で折原が言う。 まだ高校一年生の折原だ。 大丈夫、――大丈夫。 なぁ、大丈夫だっただろう? おまえは今、俺がいなくても、なんの不足も感じていないだろう?
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