夢の続きの話をしよう《1》

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あのころと、違うのは分かっていた。 当時のメンバーと会ったからと言って、何がどうなるわけでもないのだろう。 高校生だったころ、俺たちの世界は確かにサッカーだけで閉じていた。けれど、今はそうじゃない。 でも、――富原がいて、あの当時の仲間がいて、折原がいる場所には、変わらずそれしかないような気がしている。 「俺は、おまえがフットサルのサークルに入ったって聞いて、本当に嬉しかったよ」 「ほぼ飲みサーだけどな」 「それでも、またサッカーに関わってくれるんじゃないのかって、それが」 あの広いフィールドとは全然違うけれど。やっている人間も、全然違うけれど。 「なぁ、佐野」 「なんだよ」 「いいかげん、俺は折原に恨まれてると思うんだが」 「なんでだよ」 分かっているくせにと言いたげに、電話先で富原が苦笑したのが分かった。 「おまえの話ばっかりだよ、酒が入ると。佐野先輩、佐野先輩って。富原先輩は佐野先輩と連絡取ってるんでしょって」 「……しょうがねぇな、あいつ」 さっき見てしまった折原の笑顔が簡単に脳裏に浮かんだ。返答もおざなりにしてしまいたかったのに、それは叶わなくて。 ただ声が震えていないことだけを祈りたいような気持ちだった。
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