夢の続きの話をしよう《1》

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このメンバーでつるむことの心地良さからか、関係を切り崩したくないからなのか。庄司は一年の頃から栞を気に入っているくせに、全く手を出そうとしない。 男の俺から見ても、庄司は女受けするタイプだ。顔も美形の部類だし、スポーツをやっていることもあって身長もあるし、がたいもそれなりに良い。 ただ、遊んでいる風に見られるせいで、本気の恋愛には向かないと思われていそうではあるのだけれど。 「――っつかさ」 とりとめもなく続く栞の話を断ち切るように、庄司が少し低い声を出した。 あまり感情を表に出さないこいつにしては珍しいとは思ったけれど、これも一つのタイミングなのかもしれないなと判じて気配を消してみる。馬に蹴られたくはない。 「栞はさ、どうしたいわけ、それ。そのまま仲良くなって何がしたいの」 「何がしたいって、いろいろ話せたら嬉しいじゃん」 「ホントにそれだけ?」 「それだけって、そうだよ、別に」 むっとした栞に、庄司が険のある視線を確かに送った。そして感情のまま口を開こうとする。 こいつ、絶対後から言わなきゃ良かったって思うぞ。そうなるようなことを言いそうで、止めようとしたのだけれど。 「おい、庄……」 「うまいことしたら、セフレくらいにはなれんじゃないかって思ってんじゃねぇの」 ……言いやがった。 そっと栞の顔色を窺う。冗談で済ましてあげるよと言う態で保たれていた笑顔は、既に捨て去られた後だった。 あぁもうなんだ、面倒くさい。
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