夢の続きの話をしよう《1》

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栞の疑問に答えたのは、折原だった。さっきの必死そうな声なんて聞き間違いなのじゃないのかと疑うくらい、普通の応対。 あんまりにもなんでもなさそうに、そんなことを口にするから。俺は思わず、避けていたはずの折原の顔を正面から見上げてしまった。 間近で合った視線に、折原が嬉しそうに目を細めた。 「ね、先輩。俺、身長伸びたでしょ」 そうなんだろうと思う。あのころよりも見上げる角度が少し高い気がする。 身長だけじゃない、どこかまだ華奢だった高一の頃の折原とは違う、プロの身体付き。 今触れたら、全然あの頃と違うのだろうかと、一瞬そんな馬鹿みたいなことを思ってしまった。 けれど俺の口からは、そんな思考を一切滲ませない憎まれ口しか出てこなかった。 「それ以上伸びてどうするつもりだよ、おまえ。頭に栄養回んなくなるぞ」 「相変わらずひどいっすよね、先輩」 何故か照れくさそうに折原が髪をかきやった。昔もよくしていた、しぐさだった。
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