夢の続きの話をしよう《3》

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まるで――。 そう、まるで。なれるはずのない自分の分の未来まで託すように、そう、祈っていた。 それがどれだけ傲慢なのかも、分かっていて、でもそれでも、と。 ――俺は、先輩が、そこにいないのは嫌だ。 あのとき、折原はそう言った。もうそれで十分だと思った。十分すぎる。十分すぎた。 ペナルティエリアに抜け出した折原の足元にボールが飛び込んできた。吸いつくようなボールさばきでふわりと浮いた球が、そのままゴールネットに突き刺さる。 「―――――!」 観客席が地響きのように揺れて、歓声が鳴り響いていた。抱き着いてきた栞に応えることもできないまま、俺はただ息を詰めてフィールドを見下ろしていた。 ゴールを決めた折原は、駆け寄ってくる仲間にではなく、確かにこちらに向かって笑った。 これだけの人がいる中、見えているわけがない。俺がそこにいると分かっているわけがない。 でも。 いつもゴールを決めると真っ先に俺を探して飛びついてきていた。いつも、いつも。 同じチームにいる間、それは、ずっと。 フィールドでは得点を奪い取ったエースが仲間にもみくちゃにされていた。スクリーンには折原の笑顔が大写しになっている。 そしてそれを俺はここから見ている。 それは――ひどく奇妙な感覚で、けれど何かがすとんと胸に堕ちてきた。
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