夢の続きの話をしよう《3》

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「ただ、いつまでも俺があのころに固執してんのも変な話だって、ようやく思っただけ。思った……っつうか思えたっつうか」 「そう、なんだ?」 「うん、そう。だってそもそもおかしいだろ。何年も前にちょっと一緒にプレーしたことがあるってだけで、そのころの面影ばっかり追ってるって」 折原は、あのころの折原じゃない。 今の俺を見てよ、と。折原は言ったけれど、確かにそうだった。中高生だった頃、同じ時間を過ごしていた後輩は、もういない。 だからこれは俺の意識の問題なのだ、本当に。 「いつまでも過去の栄光にしがみついてんのも、みっともねぇし」 自嘲した俺を慰めるつもりだったのか、栞は「そう言うんじゃないと思うけどなぁ」と呟いた。 「まぁ佐野がそう思いたいんだったら、あたしはなんとも言えないけど。でも」 「え、なに? 悪い、聞こえなかった……」 「―――だねって言ったの。余計なお世話だと思うんだけど、ごめんね。お節介で」 話を終わらすように笑った栞が、腕を強く引く。
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