悪くないんだよ

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「あなた…私 人を殺してしまったの…」 「おいおい、何を言ってるんだ?」 「あなたには黙ってたけど… ショウタがいじめに遭ってたの 私、いじめた子を突き止めて 夜中に呪いをかけたら… そうしたら本当に死んじゃって…」 「ちょっとまてよ 呪いで人が死ぬわけないだろう そんなのただの偶然だ」 「でも、亡くなる前日まで 健康な子だったのに 急にめまいが起こって 激しい頭痛で倒れて… 病院では頭の腫瘍を取るために 手術をしたけど出来た場所が悪くて ダメだったって…」 「腫瘍なんてすぐにできるわけないさ 出来た場所が悪かったんだろ? 可哀想だが運が悪かっただけだ」 「でも…偶然だとしても 呪うなんてことをしてしまった私は 人間としても親としても失格よ…」 「パパ、ママどうしたの?」 「ショウタ… いや、なんでもないんだ」 「でも、ママが… どうして泣いてるの?」 「ショウタ…ママを許して! ツバサくんが亡くなったのは ママのせいなの!」 「何を言ってるんだ! 違うと言ってるだろ!」 「ごめんなさい… ツバサくんが死んだのは僕のせいだよ ツバサくんが死ぬ前の日 僕、またいじめられて ツバサくんを突き飛ばしたら 転んじゃって きっと頭をぶつけたんだ…」 「それ、本当なの!?」 「……うん 僕、警察に捕まる?」 「ショウタ、大丈夫だ ツバサくんはパパが手術の時 ワザと手術を失敗したから死んだんだ」 「あなた…どういうことなの?!」 「いじめられてるのは知っていた いじめたのがツバサくんだということも そんな時、偶然 パパの病院にツバサくんが来た パパがショウタとママの代わりに ツバサくんをやっつけたんだ だから ママもショウタも悪くないんだよ」 完
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