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めいりは、リンカのことを気にしていた。
「あんたなんか、だいっきらい。そんな事言われた…は、どんな気持ちになるか、わかんないでしょ
」きっぱりと冷たく言い放ち、隠れて聞いていためいりなんて気付きもせずに、どこかへ駆けていった。 (どうしたんだろう。)めいりは、考えたがさっぱり分からなかった。 今年で最後の冬休み。リンカから、「プリ、撮り行こう」と言われ、最初はダルいとさえ感じていたのに、今は行く気満々だった。だが、行く前日になってからさっきの光景を、それも隠れて聞いていただなんて、明日が憂うつになりそうだ。よし、とめいりは、ケータイを握りしめ、(悪い方向に、なりませんように)と祈ってからリンカに、電話をかけた
「…もしもし、めいり?」
「あぁ、ごめんな、今平気かな?」
「え?あ…まあ。…なんか、…めいりのこえきいたら…ヤバい、泣けてくる。」
「大丈夫か?」めいりは、少し焦った。聞いてしまっていたのもあるし、本当にリンカが鼻をすすって泣き出したからだ。 …
「あ、めいり、ごめん。8丁目のデイサービスの近くの喫茶店、わかる?」
「わかるつか、前、行った事あるとこだよな?」
「あ、そこそこ!5分後に待ち合わせね!」 そういうとリンカは、勝手に電話を切った。
(さむっ。…リンカは、…まだだな。)
「いらっしゃいませ。ご注文はありますか」決まり文句を店員さんは言い、なぜか4人がけのテーブルに案内した。
「じゃあ …とりあえずキャラメルマキアートを二つ」 めいりとリンカの、お気に入りだ。
「かしこまりました。」静かに店員は、めいりのテーブルをあとにした。 5分たっても、なかなか注文品とリンカはあらわれなかった。外はもうダークパープルに近く、不気味な雲がゆっくり流れていた。
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