序幕

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それは昔の物語。 ある村に大きな邸がありました。 そこに住む人々は、村人にとても愛され 美しい着物を着、そして美しい花々に囲まれ それはそれは幸せそうに暮らしていました。 しかしある日、 たくさんの人が邸に武器を持って現れました。 それが誰なのか 邸に住む人々にはわかりませんでした。 武器を持った人々は 土足で邸に侵入し、 なにもわからず戸惑っている人たちを 次々に殺していきました。 村人が 騒ぎに気付いて邸に集まった時には すべてが終わっていました。 たくさんの死体 血の海… そのなかで静かに眠る赤ん坊が一人。 村人は 赤ん坊を保護し、 殺された人々を邸の庭の桜の木の下に埋葬しました。 なぜその場所に埋葬したかというと、 この邸の人々はみんなこの美しい桜を愛していたからです。 そして、この年から 埋葬された人々の眠る桜の木には 不思議なことが起こるようになりました。 とても美しい桃色だった花は、真っ赤に染まり 花が散った地面は あの時のように血に染まったようでした。
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