財布が落ちていた場合

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人間の心の中には天使と悪魔が住むと言う。 天使は正しいが覚悟が必要な事を、悪魔は間違っているが魅力的な事を勧めてくる。 どちらを選ぶも自由だ。 何故なら天使も悪魔も自分自身の心そのものなのだから。 「あ、財布だ。」 大通りの隅に財布が落ちている。 拾い上げて中身を確認してみる。 おお…諭吉さんが三枚も。 どうしよう。 交番に届けるか、それともネコババするか。 まあ交番にとどけるよな、普通。 よし。 「待つでヤンス!」 かけられた声に振り向くと、身長15センチくらいの黒い全身タイツの男がふよふよ浮いている。 「誰お前」 「貴様の心の中の悪魔でヤンス!」 なんで羽とか角とか無いの? 「貴様の想像力の欠如でヤンス!」
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