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本当に必要なことをポツリポツリとつぶやくだけで顔からは微塵も覇気を感じることがない。
これが私を恐怖と絶望のどん底へ貶め、私のすべてを支配していた看守なのかと思うと不思議な感覚に襲われた。
――あんなに強く見えた人間も、こうも脆く崩れるものなのか。
今の彼は、使い続けたあのアイマスクにより微かにしか見えなくなった視界で病室の窓から見える雲を一日追いかけるだけの生活と成り果てていた。
――そしてまた私の元へギフトが届く。
そこにはいつもの説明書とは別に一通の手紙が送付されていた。
『いつも弊社カタログギフトをご利用頂きありがとうございます。
これまでのモニター様による報告書より、十分な効果が得られていると確信しておりますが、あなたの想う相手に一矢報いることは出来たでしょうか。
今までの商品効果よりすでにお気づきと思われますが弊社が扱う【ギフト】は通常のギフトとは異なります。
【ギフト】は贈り物という意味と同時にドイツ語である【毒】の意も含まれております。
今回の9つ目の商品も猛毒ゆえにお取り扱いには十分に気を付けて頂き、また効果を楽しんでいただければと思う所存にございます。
そして最後の商品に至っては最上級のギフトであります。
最後まで弊社商品をご堪能くださいませ。
~株式会社 魔ゴコロサービス~』
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