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彼は顔色一つ変えず私の話を黙って聞いていたがやがて言葉を発した。
『最後のそれは。何が入っているんだ。』
彼が私の持っていた包みを見てポツリと言った。
私は包みを破き中身を取り出す。
『タバコが…一箱入ってます。』
今までの経緯を考えればこのギフトが何を示すのか私には容易に予測がついた。
きっと、吸い込む煙により肺が機能しなくなり呼吸ができなくなるのだろう。
それはつまり、最期のギフト【死】を示すもの…という事か。
私は無意識に腕に力が入りその箱を握りつぶした。
しかし彼はガチガチに強張るその手をそっと取りあげる。
『貸して。』
そう言ってぐちゃぐちゃになった箱から一本のタバコを引き出し、枕の下からライターを取り出した。
『ちょっと!!何してるの!?』
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