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『俺は自分が身をもって感じなければわからない大馬鹿者だ。
今までお前からしたら俺と居る事は地獄だっただろう。
どんな理由にしろお前は今、こうなった俺のそばにいてくれる。
本当に今更だよな。
俺はお前の存在の大切さを知り、なんでもしてやりたいという気持ちが今心底溢れて仕方ないんだよ。』
『な、にを………』
『わかるだろ。こんな身体で今俺がお前に与えてやれることと言ったら…
この命しかないだろ。』
彼の震える手が自らの胸元を弱々しく掴む。
と同時に、彼はすっとタバコを口に咥えると火を着けた。
『や、やめて!!!!!』
私がタバコを取り上げたとき、ふぅと一息の白い煙が私の顔をかすめていった。
――遅かった。
彼は目を閉じ意識を失うと、そのままベットへと倒れた。
『あぁ……あぁ……ぁぁぁぁぁぁ』
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