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~憎いあの人へ最上級の贈り物をしませんか?~
なぜ憎い相手に贈り物などしなければいけないのか。
とんだ釣り広告にげんなりしたのだが、次の文章を読み私はまたその広告へと意識を持っていかれるのだった。
~あなたがどうしても許せない相手に一矢報いることをお約束いたします。~
これだって十分な釣り文句なのに、その時の私はがっちりと心臓を捕まれたようにドクドク高鳴る脈を、まんまとその広告に預けてしまったのだった。
――三日後。
私の手元にあの広告からは想像もできない、さわやかな花柄表紙のカタログが届いた。
そして私は、静かに幕を下ろすはずだった自分の人生を最期に少しだけ彩ってやろうと心に誓ったのだった。
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