面倒事ってのは続けてやってくる

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学校に行くと校門前に黒塗りのリムジンがズラリと並んでいた。 「え、何これ」 「わぉ。どっかの組の跡取りがくるのかな?」 横にいた明良が面白そうにリムジンを眺める。 何でそんなに面白そうなんだよ……… 「おらおらお前ら、さっさと体育館に行け。入学式始まるぞ」 現れたのは内の学園の生徒指導顧問の龍雄先生。指導科の鬼と恐れられている。元は世界を放浪する傭兵だったみたいだが、数年前に理事長から雇われたらしい。この学園じゃ唯一俺の渡り合える人だ………“喧嘩”なら、な。 「む、夜霧に千歳と災城。お前たちも行かんか」 「ういーっす」 「夜霧。返事ははいだ」 「はーい。せんせー、また指導室に遊びに行きますね!」 「来んで良い!問題を起こせば俺から捕まえに行く」 こわっ 「…………夜霧、災城。お前たち新学期早々やったな?」 もう知ってんのかよ、早いな。どっから知られたんだろ 「まぁ、内の学園は生徒の自由意思を重んじている。学園内で起きた事、もしくは学生同士の問題には深く関わらんが………」 龍雄先生は俺を目をしっかり捉える。まるで射抜かれているようだ……… 「一般人には危害を加えるなよ?」 一層眼光を鋭くさせ忠告してきた。 「云われなくても分かってるよ。俺がそんなに落ちぶれてると思ってんのか?」 「そうそう、俺達はそんな畜生共じゃないから安心してよ」 「うむ!むしろそんな奴等は成敗してやる!」 俺、明良、剛木の順で龍雄先生に宣言。 それを受けた龍雄先生は呆れたような顔をしてため息をついた。 「そうだったな……お前たちに関しては問題無しだった。ほら、さっさと行け!」 龍雄先生は手を下から上へ動かし、しっしっとやられた。 「先生が俺達に忠告なんて、珍しいね」 そう、俺達はそこらの馬鹿共とは違い自分達から喧嘩をふるような真似はしないのだ。それを龍雄先生は知っているから他の奴等よりは態度は柔らかいのだが……… 今回は何故か忠告されたけどな 「まぁ、今は入学式を見に行こうよ」 隣の明良を見ると早く行きたそうにウズウズしていた。 「ったく、仕方無いか」 考えて分からないもんは考えても意味無いし。 俺達は入学式の会場である体育館に向かった。
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