プロローグ

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なんとかタイムセールに間に合い、今日の晩飯の材料を揃え我が家に帰宅するもすぐに飯の用意に追われる。 親父とお袋は現在行方不明。つっても、俺と姉貴を家に残し失踪したのだ。 当時俺は五歳、姉貴は十歳。 失踪した理由は何と無く分かるよ。俺も姉貴も普通じゃねぇし。 あ、因みに失踪した一ヶ月後には姉貴が見つけ出してた。どうやってかは知らないけど、『インターネット社会って便利ね』とイイ笑顔で言われては聞くに聞けなかったよ。 「天魔ー、お腹すいたー」 ご本人(姉貴)来ちゃったよ 黒のロングストレートに右目の下に泣き黒子。気だるげな目。身体のルックスは身内贔屓抜きで極上と言える。 スペックは正に万能。出来ない事を探す方がムズい。 これも姉貴曰く、『やったら出来ただけよ、それだけ』との事。 本当のYDKなのだ ……………………まぁ 「あー、お腹すいたー。ブログ更新しなきゃ。お、もう動画upされてる。チェックチェック」カタカタカタ それはもう三年前の話し。 今では常にパソコン離さず、家から一歩も出ない引きこもりと化してしまった。 まだ自室に引きこもるタイプでは無いためマシだが……飯と風呂トイレ以外は自室から出ない。 高校を卒業した姉はどこに進学するでもなく、就職するでもなく。 突然俺に、『天魔。お姉ちゃんPCと結婚するね。後の事よろしく』。卒業式の次の日に、そう言い放ったのである。 『えっ、ちょ、えぇ……?』 『そう言う事だから』 それ以来なんで引きこもりになったのか聞いても答えてくれず、ずっとこの調子である。 強く言いたくても言えない。何故なら、我が家の収入源は姉貴なのだから。 正確には俺三割、姉貴七割。 俺は所謂、何でも屋的な事をしている。依頼があれば報酬に応じて仕事はさせてもらう。 で、だ。肝心の姉貴は自慢のPCテクで株で大儲け。下手すりゃ破産するのに、この姉ときたら『株で大儲けするなんてやったら出来たわ』の一言である。 その時はマジで絶句したよ。いやもう固まってたね。数秒硬直してたよ。思考も体も硬直してた。 ギャンブルにも手を出している模様。 そしてこれも『ギャンブルで勝ち続けるなんてやれば出来たわ』 なンだそれ。因果でも逆転させてんのか?もう絶句通り越してツッコムしか無いよ?あれだからね?言わないとやってられないから。
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