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「それより剛木。パンとジュース」
「む、ほれ。期間限定フルーツ盛り合わせパンだ。ジュースは野菜ジュースにしといたぞ」
「ありがとう♪」
明良は剛木からパンとジュースを満足そうに受け取った。
つかフルーツ盛り合わせパンってコンビニで売ってるようなものじゃなかったんだが。
まぁ、良いか。
「それより飯だ飯。腹へった」
「それもそうだな。今日は何を食おうか」
「大食いでもチャレンジすれば?」
「おお!それは良いな!よし、近場でどこかないか」
剛木の趣味の一つとして、大食いチャレンジに勝利すると言うのがある。
片っ端から挑戦しては食いきっていくもんだから店の人は涙目である。やけになって今度は店側が剛木にリベンジとして、新たな巨大料理を出してくる。
結果は剛木の勝利でいつも終わるのだが。腹いせとして出禁にさせられることもある。
「この辺りの店はあらかた挑戦しただろ」
「この辺りで大食いチャレンジを開催しているお店が二十店ですが、内五店舗から出禁を食らってますよね」
だろうな。店長涙目だったもの。
「ぬぅ……仕方ないか。普通にラーメンを食いに行こう!」
さらりとラーメンを指定してくるとは、やるな
「良いんじゃね?行こうぜ」
「そうだね。時間が勿体無いし」
「いやー、まさか行った店で大食いチャレンジがあったとは」
俺達が行ったラーメン店で『特大味噌ラーメン!三十分以内に食べきれれば成功!失敗した場合は通常の三倍料金。成功すれば一ヶ月間無料!(ラーメンのみ。トッピングやサイドメニューは別)』
これにいち早く反応した剛木は即挑戦。
タイムは二十分三十八秒と言う、余裕を残して食いきった。
マジかこいつ………見てて気持ち悪くなったぞ。
食い終わった後の剛木と言ったら、満面の笑みだった。もう気持ち悪いくらいに。
「満足満足!しかも一ヶ月無料とは、得しかしてないな!」
「剛木にはそうだね。逆にお店の人は損しかないけど」
「ホントな」
味は美味かったな。あのラーメンを一ヶ月無料で食えるのか…………俺も挑戦しとけば良かったか?
……………いや、止めよう。食べきれる自信が無い。
「おい、ちょっと待てや。【夜霧天魔】と【千歳明良】ってのはどいつだ」
いきなり黒マスクをつけたスキンヘッド野郎が俺達の前に立ち塞がった。
……もう面倒事の予感しかしねぇ……
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